ひなさんの小説以下の小ネタを放置するところ ↑旧 ↓新
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そうは見えなくともアグメリです。百合です。
短い妄想だよ!
普段、無駄な買い物は殆どしない。どうせ買うならば有事の際に使えるものや、少しでも傷を早く癒やすための医療品。旅をするための資材、食料、衣料品をメインに買うからだ。
それらに不満を感じたことはない。食べることさえ満足にできない人が殆どのこの時代、この国で、食べるものには困らない。それだけで十分だった。その代わりに少しばかり危険な目に遭わなくてはならないが、それは当然の対価だろう。
この旅団の座長とて元貴族だ。昔は裕福に暮らしていたに違いない。だが今は彼からそのような気配を感じたことはない。身のこなし、振る舞いに優雅さは感じるが、彼はすっかり傭兵の色に染まっていた。
そんな彼が「少し金が余ったから」と小さな革袋を皆に渡してきた。曰く、羽根を伸ばしてきて良いのだそうだ。
喜んだ旅団の女性たちは買い出しのついでに、少しだけ着飾れるものや化粧品を買ってきた。男どもはおそらく飲み代にでも使ったのだろう。
その中で一人だけ、メリアドールは繁華街に出ずにいた。
否、近くの孤児院にそっと革袋は預けに行った。
まばらに宿に戻った者は皆笑顔で、今日の楽しみを語らい合っている。
明日にはまたこの都市を離れる。それまでにしておきたい事は山のようにあった。
そんなメリアドールが繕い物をしていると、買い出しから戻ってきたアグリアスが声をかけてきた。
「昼はすまなかった」
「あら、いきなりどうしたと言うの」
「騒がしくしてしまったからな」
彼女たちのグループは化粧品を買ってきたらしい。大いに盛り上がっていたのを微かに覚えている。だが、その程度だ。
「気にしないでちょうだい。私は剣にのみ生きると、弟に誓ったのだから」
群れたくないというわけではない。女同士の語らいが嫌いというわけでもない。そうであったら、そもそもここにいないだろう。
されど、己は元であれ神殿騎士だ。色うつつに抜かることなど、この道を決めた時点で、絶対にない。
故に女性らしくある必要もない。羨ましくはない。否、まだ自身を着飾れるほど、色々なものを失ったことへの心の傷は塞がってはいない。アグリアスも同じようなタイプだと思っていたのだが、彼女もまた一人の女性なのだと再確認した。
アグリアスは普段からあまり表情を表に出さないが、メリアドールを見て少し悲しい顔をした。彼女も、主をなくした。皆、なくしものだらけだ。
「こんな時代だもの。誰しも、何かしらを無くしてここにいるのでしょう。私だけが特別なわけではないわ」
そう、ちっとも特別なんかじゃない。この悲しみは、痛みは、苦しみは、飢えは、喪失は、この世に蔓延っている。それを少しでも取り除きたくて、正しく在りたくて、最後に手の中に残ったものを守りたくて、だから剣を手にとるのだ。
だから、やはり羨ましくはない。
「そうだな。確かにここに居るものは、皆さまざまなものを亡くしたり、守りたいもののためにここにいる」
アグリアスは針山から新たな縫い針を見繕うと容易く糸を通し、他の穴を縫い始める。
「私は既になくしたものが多すぎてな。だから、今は自分の信ずる正義がなくならないように、戦っているつもりだ」
ああ、やはり同じなのか。と少し安心する。
「それにな。私は既に、大切なものがたくさんあってな。そこに君も含まれている。――だから、君の笑顔も見たいのだ」
チクリ、と指に針が刺さる。思わず動揺してしまった。血は出ていないが、動揺は気づかれてしまっただろうか。
「次にまた機会があれば、私とともに市に出ないか」
「わ、わたくしと……? きっと、何も面白くありませんよ」
「それが、私もなのだ。場を面白くする手段を知らなくてな。だから丁度いいだろう」
アグリアスの普段硬い表情が少しだけ和らぐ。それを見て、メリアドールは肩の力を抜いた。
「面白くなくても結構ならば、宜しくてよ」
次の街でも団長は皆に金袋を配った。途中で退治した盗賊団がえらく溜め込んでいたらしい。
その金でアグリアスはメリアドールを連れ出して街へ繰り出し、小さな出店で金の髪飾りを買った。高価なものだと断ろうとしたが、性能が良いからと押し切られてブローチとして胸に飾ることになった。
「に、似合わないでしょう?」
はにかむメリアドールにアグリアスは快活に答える。
「そんなことはない、とても美しい。そなたの心のように、清純と輝いている」
「あ、ありがとう。アグリアス。大切にするわ」
「大切なものがまた増えてしまったな。これは益々頑張らねば」
「そうね」
二人が連れ立って宿へ戻る。その顔には笑顔が浮かんでいた。
ティンカーリップイベント、見たことないんですよね(白目)
なのでマジ妄想です。
今やってるFFTではティンカーリップイベント見るぞぉぉぉぉ!!!!!
アグメリはTwitterでよく一人でぼそぼそ妄想してますけど
おかたい女騎士×おかたい女騎士 って感じで良いですよねー。
メリアドールさんを甘やかしたい。でもキリっとしててもいい……
アグリアスさんはひたすらかっこいい美人!という感じがいいです。
短い妄想だよ!
普段、無駄な買い物は殆どしない。どうせ買うならば有事の際に使えるものや、少しでも傷を早く癒やすための医療品。旅をするための資材、食料、衣料品をメインに買うからだ。
それらに不満を感じたことはない。食べることさえ満足にできない人が殆どのこの時代、この国で、食べるものには困らない。それだけで十分だった。その代わりに少しばかり危険な目に遭わなくてはならないが、それは当然の対価だろう。
この旅団の座長とて元貴族だ。昔は裕福に暮らしていたに違いない。だが今は彼からそのような気配を感じたことはない。身のこなし、振る舞いに優雅さは感じるが、彼はすっかり傭兵の色に染まっていた。
そんな彼が「少し金が余ったから」と小さな革袋を皆に渡してきた。曰く、羽根を伸ばしてきて良いのだそうだ。
喜んだ旅団の女性たちは買い出しのついでに、少しだけ着飾れるものや化粧品を買ってきた。男どもはおそらく飲み代にでも使ったのだろう。
その中で一人だけ、メリアドールは繁華街に出ずにいた。
否、近くの孤児院にそっと革袋は預けに行った。
まばらに宿に戻った者は皆笑顔で、今日の楽しみを語らい合っている。
明日にはまたこの都市を離れる。それまでにしておきたい事は山のようにあった。
そんなメリアドールが繕い物をしていると、買い出しから戻ってきたアグリアスが声をかけてきた。
「昼はすまなかった」
「あら、いきなりどうしたと言うの」
「騒がしくしてしまったからな」
彼女たちのグループは化粧品を買ってきたらしい。大いに盛り上がっていたのを微かに覚えている。だが、その程度だ。
「気にしないでちょうだい。私は剣にのみ生きると、弟に誓ったのだから」
群れたくないというわけではない。女同士の語らいが嫌いというわけでもない。そうであったら、そもそもここにいないだろう。
されど、己は元であれ神殿騎士だ。色うつつに抜かることなど、この道を決めた時点で、絶対にない。
故に女性らしくある必要もない。羨ましくはない。否、まだ自身を着飾れるほど、色々なものを失ったことへの心の傷は塞がってはいない。アグリアスも同じようなタイプだと思っていたのだが、彼女もまた一人の女性なのだと再確認した。
アグリアスは普段からあまり表情を表に出さないが、メリアドールを見て少し悲しい顔をした。彼女も、主をなくした。皆、なくしものだらけだ。
「こんな時代だもの。誰しも、何かしらを無くしてここにいるのでしょう。私だけが特別なわけではないわ」
そう、ちっとも特別なんかじゃない。この悲しみは、痛みは、苦しみは、飢えは、喪失は、この世に蔓延っている。それを少しでも取り除きたくて、正しく在りたくて、最後に手の中に残ったものを守りたくて、だから剣を手にとるのだ。
だから、やはり羨ましくはない。
「そうだな。確かにここに居るものは、皆さまざまなものを亡くしたり、守りたいもののためにここにいる」
アグリアスは針山から新たな縫い針を見繕うと容易く糸を通し、他の穴を縫い始める。
「私は既になくしたものが多すぎてな。だから、今は自分の信ずる正義がなくならないように、戦っているつもりだ」
ああ、やはり同じなのか。と少し安心する。
「それにな。私は既に、大切なものがたくさんあってな。そこに君も含まれている。――だから、君の笑顔も見たいのだ」
チクリ、と指に針が刺さる。思わず動揺してしまった。血は出ていないが、動揺は気づかれてしまっただろうか。
「次にまた機会があれば、私とともに市に出ないか」
「わ、わたくしと……? きっと、何も面白くありませんよ」
「それが、私もなのだ。場を面白くする手段を知らなくてな。だから丁度いいだろう」
アグリアスの普段硬い表情が少しだけ和らぐ。それを見て、メリアドールは肩の力を抜いた。
「面白くなくても結構ならば、宜しくてよ」
次の街でも団長は皆に金袋を配った。途中で退治した盗賊団がえらく溜め込んでいたらしい。
その金でアグリアスはメリアドールを連れ出して街へ繰り出し、小さな出店で金の髪飾りを買った。高価なものだと断ろうとしたが、性能が良いからと押し切られてブローチとして胸に飾ることになった。
「に、似合わないでしょう?」
はにかむメリアドールにアグリアスは快活に答える。
「そんなことはない、とても美しい。そなたの心のように、清純と輝いている」
「あ、ありがとう。アグリアス。大切にするわ」
「大切なものがまた増えてしまったな。これは益々頑張らねば」
「そうね」
二人が連れ立って宿へ戻る。その顔には笑顔が浮かんでいた。
ティンカーリップイベント、見たことないんですよね(白目)
なのでマジ妄想です。
今やってるFFTではティンカーリップイベント見るぞぉぉぉぉ!!!!!
アグメリはTwitterでよく一人でぼそぼそ妄想してますけど
おかたい女騎士×おかたい女騎士 って感じで良いですよねー。
メリアドールさんを甘やかしたい。でもキリっとしててもいい……
アグリアスさんはひたすらかっこいい美人!という感じがいいです。
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