ひなさんの小説以下の小ネタを放置するところ ↑旧 ↓新
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「なんですって!?」
ガタンと硬い音をたてて椅子が倒れる。驚愕を浮かべる青白い肌は、気の高揚により微かに赤みを帯びていた。
「そんなこと言われても、ヴァンの決めたことだし」
「そんな、私の了解もなしにですか!?」
「……僕に言わないでよね。僕は決定を伝えに来ただけさ」
何処かの六神将が部屋に籠って出てこないんでね。そう嫌味を付け加えて、仮面の少年は肩を竦めた。
「た、確かに……実際この半年ほど、第二師団の兵は動いてません。私の譜業技術で事足りる任がほとんどです……ですが…ッ」
「訓練ばかりでは兵の実戦の勘が鈍るし、あんたには最低限の人員と護衛要員だけでいいだろうってさ。僕は確かに伝えたからね?文句があるなら直接言ってよ。僕に言うのは筋違いってもんじゃない?」
「っ……」
シンクが脇に抱えていた書類の束から数枚の紙を取り出すと、ぞんざいに机に置き放つ。
「吉報かは知らないけど、人事異動する者の選択は任せるってさ」
「そう……ですか、わかりました。もうお行きなさい」
青年は、静かに胸に拳を当て俯く。その眼鏡に光が反射し、少年の目からその表情は読み取れなかったが、容易くその雰囲気は伝わっていた。
「良かったじゃないさ、どうせアンタは兵士に気に入られてないんだし」
「出て、お行きなさい……シンク。あなたには関係ないことでしょう?」
刺すような鋭さを含む声音に、シンクはわざとらしく溜め息をつくと、静かに部屋を後にした。
それと、ほぼ入れ違いのように部屋に訪れたのは、赤毛の青年だった。
「話は聞いた」
「立ち聞きとは、随分趣味が悪いですね」
まるで彼の入室をも拒むように、背を向けて椅子を立て直す。近付いてきた影に背を向けたまま卓上の指令書を手に取り、文を目で追った。
「残念だが俺もこの人事には同感だ。今この時期に無駄な兵を飼ってる余裕はないからな」
「煩いですよ、そんなこと私にだってわかってます」
バシリと書類を机に叩き付けて、ディストはアッシュに睨み付けると、すぐに踵を返して付属の私室へと歩き出した。
「じゃぁ何でそんなに荒れる必要がある!? お前は確かに兵の人望は薄い。降りる任も自分で片付けちまう。兵なんて必要ねぇだろうが!
それともなんだ? 師団長として肩書だけでも、兵を持っていたいのか!?」
「っ違いますよ! ……アッシュ、あなたには関係ないことです!!!!!」
「なッ! ……んだと!?」
拒絶の言葉が部屋に響く。ディストは音を立てて扉を開くと、振り切るようにすぐさま扉を閉めようとした。
しかし、それをアッシュは力ずくで阻止すると、素早く自分の身も部屋に滑り込ませて扉を閉じた。
「ちょ、あなた……入って来ないで下さいよ!」
抗議するためこちらに向いたディストの腕を力任せに掴む。痛い、と小さく悲鳴が聞こえたが、それを無視してベッドに突き飛ばした。
「ッ! あなた、何す……」
身を起こそうと体を捩るディストに暇を与えず、素早く上から伸し掛かる。
ようやく事態を理解したのか、跳ねるようにディストはアッシュの顔を見た。
「まさか、あなたっ!!」
「そのまさかだ」
「そんなことが許されるとでも思って……」
ただでさえ、血の気の悪い顔色が、更に青白くなる。その様子をアッシュは鼻で笑い飛ばした。
「ひ、卑怯者…!」
「罵声を浴せるだけ浴せて関係ねぇとか言うお前も同じようなもんだろうが」
「だからってこんな……んっ」
言い換えそうと口を開くも、すかさず口内に親指を入れられ、言葉はくぐもった声に封じられた。片手で抵抗しようと、紅く燃え上がる長髪を引っ張るも、首筋に痺れを感じて自然とその力は弱まる。その隙に前の合わせをはだけさせられると、その外気の冷たさに身を震わせた。
本当は誰も傷つけたくなくて独りで頑張っていたけど
兵士余らせてるなら貰って行くと言われてしまったディストさん……かな?
アッシュはね、もっと頼ってほしいんですよ。
っていう話の途中!!!(だめじゃん)
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