ひなさんの小説以下の小ネタを放置するところ ↑旧 ↓新
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観月は、敗者復活戦で彼、跡部景吾に負けた。
聖ルドルフにとっても、氷帝にとっても後が無い戦いであったが故に、驕りの無い氷帝の正レギュラーに、完膚無きまでに負けたのだ。
特に勝敗を決めた跡部との試合は、ポイントも取れないまま6-0で幕を閉じたのだった。
その事に関し、ルドルフ内で観月がどのように振舞っていたのかは、跡部は知らない。
ただ、試合中で見せた観月の純粋なまでの激情と、試合後に見てしまった涙のギャップが心に残り、彼を忘れることができなくなったのは確かだ。
彼、跡部はこの感情を既に理解していた。
自分は観月に好意にも似た興味を抱いているのだと。
好きかどうかは測ることはできないが、もっと知りたいとは思ったのだ。
しかし、次に彼について知った情報は、彼のテニスの引退という話だった。
「俺に負けたからテニスをやめんのかよ」
そう、試合後初めて自らルドルフまで会いに行って、直接聞いた事がある。引退という話を聞いて、居ても立ってもいられなくなったからだ。
跡部とて、中学界の全国とはいえ、全身全霊をかけていたのだから「高校の全国大会で頑張ればいいじゃないか」なんて甘い考えを口にはしなかったが、中学で全国に出れなかったからとはいえ、いきなり引退というのは気が早いのではないかと思う。
自分に惨敗したとは言え、観月のテニスセンスは、他人に教えられるほどまでに高い。
だが、観月は妙に冷めた顔をして薄く口元に笑みを浮かべ
「僕がテニスを辞めるのは、君に負けたからではありませんよ」
そう落ち着いた声音で告げた。
そもそも、テニスを完全に辞めるわけではなく、マネージャーとしては高等部に上がっても続けるそうだ。
だが、選手としてコートに立つことはないと、彼は言った。
跡部は、心に虚無感を覚えた事を覚えている。
間もなくして、氷帝学園は青春学園に敗退し、推薦枠で全国に上がるも、青春学園を打ち破る事無く、跡部の夏も終わりを告げた。
だが、中学の夏は終わったが、また次がある。自分はこんなところで終わる男ではないのだ。
成績優秀であり、絶対なる自信を持っている跡部は、エスカレーター式である氷帝において進学できなくなるということはないだろう。
だからこそ、テニス部を引退し、日吉に部長の座を譲っても、練習の手を緩めることはしなかった。
という超尻切れトンボ跡観が出てきたのでそっと供養しときます。
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