ひなさんの小説以下の小ネタを放置するところ ↑旧 ↓新
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
貴方は優しいですね、ジョゼアーノ。
「え?」
そして強い。
「そんな、ブリュノー枢機卿の方が、私なんかよりずっとお強いです。
戦いにでることができ、守ることができ、癒すこともできる。我らの誇りです」
私が言っているのは、そのような強さではありません。
ああ、そういえばこれを……忘れていましたね。
「あ……いつも、ありがとうございます」
いえ、いいのですよ。
「味方の兵はともかく、倒した敵の遺品の回収なんて……怒りや憎しみで手が振るえますでしょうに。……私のわがままで申し訳ありません」
いえ、ジョゼアーノ。
私はこの行いをするべきなのです。
女神アルタナに使える神子として、神殿騎士の長として。
「ブリュノー枢機卿……」
ただ、どうしても私には守るべき民や思想や国があります。
そして守るべき大切な部下がいます。
その部下が死に行くと、私は怒りと哀しみで溢れてしまいそうになる。
私とて人の子だと、憎しみを肯定してして、怒りのままに想いが暴走してしまう。
けれど、貴方に頼まれたこの行為が、私が望む『私』へと連れ戻してくれるのです……。
「……」
戦っていて、わかることがあります。
ジョゼ、貴方の言うとおり、彼らもこのヴァナ・ディールに生きる者達なのです。
そして女神アルタナの教えに、種族や思想の違いによる隔たりは、ないのです。
その事に気づかせてくれる、貴方の想いと、その強さは、いずれ世界に理解されると信じています。
ですが、今だけは許してください。
今の世は戦の時代です、戦わなければ、大切なものを全て失ってしまうでしょう。
「それはわかっております。私は、これをお持ち帰り下さるだけで嬉しいのです」
彼らを屠った私に、祈る事は許されないかもしれません。
ジョゼアーノ、分け隔てなく弔いの祈りを捧げる貴方こそ、私は枢機卿に相応しいと考えています。
「ブリュノー……さま?」
私はこの戦が終われば、神殿騎士団の長の座を返上し、貴方に譲りたいと思っています。
「そんな……私には……っ!」
さて、それではそろそろ出撃せねばなりませんので、失礼致しますね。
ジョゼアーノ、貴方にも楽園の扉が開かれますように……。
「ブリュノー枢機卿……どうか、ご無事で
貴方様にも楽園の扉が開かれますように」
この二人が会話してたらかわいいかな……と書いたらシリアスになったアレ。
とりあえず敵の死にも弔いの祈りをするために遺品を持ち帰ってもらうジョゼと
そのジョゼの意思と願いで、実は救われているブリュノー枢機卿。
時間軸?なにそれおいしい?
PR
最新記事
(12/27)
(12/02)
(11/21)
(10/02)
(06/20)