ひなさんの小説以下の小ネタを放置するところ ↑旧 ↓新
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「光が欲しい」
真っ直ぐこちらを見て彼は一言。そのひたむきさに、つい流されそうになってしまう。その意味すらも知らないのに。
「光かぁ……抽象的で、少し難しいね。それは僕にあげられるものかな? 僕の……魔力?」
いつも魔導士の魔力を付け狙っている彼の事だ。今回だって、きっとそう。
しかし返って来た言葉は。
「違う」
否定だった。
首を傾げる。だっておかしいじゃないか。
不思議そうにしている僕に、伝わっていないと気づいた彼は小さく息を吐く。
「じゃあ担当直入に言ってやる。お前が欲しい」
これはいつも彼が言っては疑われてしまう言。
「変態だと罵るなら好きにしろ。だがこれ以上の言葉は考えつかん」
「え?」
いつもの否定がない。まさか、本当にその意味なのだろうか。
絶対に届くことはないと思っていた。
「俺はお前が欲しい。光の力も、魔力もお前が手にはいるならいらない。お前が隣に居てくれたら、それでいい」
その言葉が欲しかった。ずっと誰かに言って欲しかった。誰かの希望になりたくて、でもそれが叶えられる事はなかった。
誰かの傍にいたい。否、この人の傍に在りたい。
「嫌なら嫌と言えばいい」
「言わないよ、そんなこと。あなたが誠実で優しいヒトだって、僕は知ってるもの」
「俺はそんなイイヤツじゃない。隣にいれば危険かもしれないし、幸せにはできないだろう。だが……」
「いいよ。僕の全てを君に……はちょっと難しいかもしれないけれど、できる限りの最大限。君にあげるよ」
一歩、彼に近づく。レムレスはシェゾの手を取ると、己の手と優しく合わせた。
「それにね、シェゾ。幸せは与えるものじゃないよ。一緒につくるものだよ」
ていうまた違う馴れ初めを考えていた成れの果てです。
馴れ初め好きすぎて何パターンも考えますよね。
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